RSS | ATOM | SEARCH
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

author:スポンサードリンク, category:-,
-, -, pookmark
No. 7 テンと張り込み。 入院四日目
 
No. 7
急性胆管炎、発症から手術、入退院までのちょっと可笑しな体験記
 
2014.7.18  AM 5:00
 
普段から生乳の仕入れなどで朝五時前には起きているので
 どうしても目が覚めてしまう。
未だ( オーイおじさんのお蔭か。) 四人部屋を一人で
使っているので、起床時間前に起きだしては本を読んだり
体操をしたりしている。
 
起床時間の六時になると待ってましたとばかりテンを連れ
て散歩に出掛ける。
相変わらず出来の悪い相棒だが、返って愛着がわくという
ものだ。と言うのも昨日の散歩時、テンの性格が読み切れて
いなかったので直ぐに体力を消耗しディルームで休憩する
羽目となった。やっぱり交換してもらうかなと思っていたら
自動販売機の横に本と一緒に新聞が置いてある。中日新聞、
しかも広告入りで。
「やった! 楽しみが一つ増えた。」
外界と遮断されたこの場所で信じられる唯一の身近な情報源
である。大袈裟と思うかもしれないが、入院とはそういう
ものである。
テレビや携帯のiモードでいくらでも最新情報は得られるが、
そういう問題ではないのだ。
 
で、この新聞が何時、誰がこの場所に運んでくるのかが問題
であった。新聞屋さんが配達しているとは思えないので、
テンと散歩のふりをして張り込みをすることにしたのだ。
このデイルームとエレベーターの間には空間があり、ぐるり
と一周できるようになっている。配達人は必ずエレベーター
を使って上がってくるはずなので、この約150mの円周を
散歩していればきっと行き会うはずだ。
 
「あっ! テンの様子がおかしい。」
 
しまった点滴の残りが少ない、戻らないと看護師さんに
怒られるな。検温とかもやってないし、たしか採血をする
って言ってたな。
 
AM6:15
 
張り込み開始から15分、職員用エレベーターのドアが
開いた。
手には何部もの新聞をかかえた若い守衛さんが足早に
ディルームへと向かう。
やった、(犯人は?)守衛さんだったのか、急いで後を追う
テンの動きが悪い。しかも点滴は空に近く、慌てたせい
か血が逆流している。

真っ新な、角の揃った新聞が読みたかった。
残念だが今回はあきらめるしかない。
 
カラカラ、トボトボと部屋に引き返すと、看護師さんが
 仁王立ちで待っていた。
 
 採血を終えると。
 「午後からエコー検査があるので昼食はありません。」
 とちょっと冷たく告げられた。
 
 午後、車いすに乗せられて一階のエコー検査室へ向かう。
何日かぶりで六階の病棟を離れ地上へと戻る。外へ出た
わけではないが外界の熱気があふれ返っていた。
 
 夕刻、担当のS医師がやって来てエコー検査は異常なく
血液検査の数値もかなり改善してきたと告げられる。
入院時の数値を比較すると驚くほどの違いがあり、N医師が
慌てて紹介状を書いてくれたのもうなずけるところである。
 
「これなら、点滴を止めても良いでしょう。無くなり次第
 外すことにします。」
 
 なんと今朝は楽しく一緒に張り込みをしたというのに、
 テンとはもうお別れなのか
 
 PM10:00
 
  消灯間際、テンは空になった。
看護師さんが手際よく針を抜くと、すっと軽くなった。
 
 「さよなら、テン。」
 
あー、やっと足かせが外れた。
 
動物的な開放感が全身に伝わるな。
 
「おー、自由だ。」
 
思わずつぶやいてしまった蘇庵であった。

                つづく

 
                    
 
 
author:蘇庵, category:胆管結石、胆管炎, 18:21
comments(0), trackbacks(0), pookmark
スポンサーサイト
author:スポンサードリンク, category:-, 18:21
-, -, pookmark
Comment









Trackback
url: http://milksoan.jugem.jp/trackback/563