RSS | ATOM | SEARCH
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

author:スポンサードリンク, category:-,
-, -, pookmark
No. 4 三途の川に佇む。 入院初日
No.4 
急性胆管炎、発症から手術、入退院までのちょっと可笑しな体験記。

 
 
 辺りは真っ暗で静寂である。
腰のまわりには雲のようなふわふわとした水が
音も無く流れていているが、まったく抵抗感がない。
立っているのか浮いているのかも分からない。
 
「これが俗にいう三途の川なのだろうか 。」
 
すると、「オーイ、オーイ。」と誰かが叫んでいる。
 
動こうとするが身体が動かない、返事をしようと声を
出そうとするのだが声もでない。
金縛り状態だ。
 
何度も「オーイ、オーイ。」と叫び続けている。
 
年配の、男の良く通る声である。
そんなに遠くない場所から、右の方角から聞こえてくる。
 
どうすりゃ、いいんだ。
 
2014.7.15  AM6:00
 
「シャー ! 」とカーテンの開ける音がする。
 
「おはようございます。」と看護師さんが微笑んでいる。
 
朝日が現実を映し出してくれた。
そうだった昨夜手術をしたんだっけ、ここ2日間ろくに
寝ていなかったので爆睡していたようだ。
昨日、N医師が朝まで持たないかもしれないなんて、
 脅してくれたのであんな夢をみたのか
 
「よく眠れましたか?。」と看護師さんが尋ねる。
 
「死んだように寝ていました。」と答えると。
 
ホッとしたような看護師さんの顔が、歪んだ
 
 「オーイ、オーイ。」
 
あれ あの声は間違いなく夢に出てきた
男の声である。
 
左側窓際のベットに寝かされているので、
右側、廊下をはさんだ向かい側の病室から
その声は聞こえてくる。
看護師さんに「あれは何ですか。」と聞こう
としたら、
「今日は、昼まで絶対安静です。」と言い、スタスタと
去って行った。
 
 「オーイ、オーイ。」
 
 うーん、もしかしたら私だけでなく多くの人たちを
三途の川から呼び戻しているのかもしれないな。
朝まで叫んでいるなんてタフな人だ。
こうして現実の世界に呼び戻されたのだから
「命の恩人。」だよな。
( S医師、スタッフの皆さんのおかげなんだけど、
「本当にありがとうございました。」)
 
そんなことを考えていたら別の看護師さんがやってきた。
 
 「おはようございます、よく眠れましたか ?
 
 「はい、ぐっすりと。」と答えると嬉しそうだった。
 
 今日は一日点滴だけです、少量の水なら飲んでもOK
昼から動いても良いと言われた。
 検温、酸素濃度、血圧測定、採血をしてる間に
 
また、「オーイ、オーイ。」と叫び始めた。
 
看護師さんが「一日中叫んでいる訳ではありませんので。」
 
それ以上は語ろうとしない。
いろいろ事情がありそうだったが、個人情報保護に配慮
するならば詮索しない方がお互いの為か
 
すると看護師長さんが挨拶に来た。
 
 「おはようございます、よく眠れましたか ? 」
 
可笑しかった、皆一応に眠れましたかと尋ねる。
そういえば四人部屋に私ひとりだけである。
眠れない人が大勢いたのかもしれないな。
 
 昨夜の夢の話をする。
 
「なのであの人は命の恩人なんです。」
 
真顔で話す私をしみじみ見てから、笑顔で
 
「よろしくお願いします。」
 
と言って足早に去って行った。
 
この日から私は敬意を表して「オーイおじさん。」
呼ぶことにした。
 
( 翌日女房から、向かいの病棟は脳神経科だと聞かされた。)
 
 
                   つづく
 
author:蘇庵, category:胆管結石、胆管炎, 17:47
comments(0), trackbacks(0), pookmark
スポンサーサイト
author:スポンサードリンク, category:-, 17:47
-, -, pookmark
Comment









Trackback
url: http://milksoan.jugem.jp/trackback/560